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~ 観劇、鑑賞の記録。リンク集そしてデータベース ~
演劇「カッコーの巣の上を」
8月某日 演劇「カッコーの巣の上を」新宿サニーサイドシアター
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*犯罪収容所の強制労働を逃れるべく精神病患者を装い施設に潜り込んだ男。そこで患者達を束ねて牛耳ろうと考えたが、施設を支配している看護婦長に行動を監視され自由を奪われる。そして脱走を図るが失敗に終わり、看護婦長は男に最期の制裁を加える。残された患者達は……。
映画にもなり、幾度と無く舞台化もされている小説が原作。

映画のおおまかなストーリーでは知ってはいたものの、改めてストーリーに引き込まれ、2時間半の舞台に魅入った(かなり足腰にきたが……泣)。
キャスティングのはまり具合、演出の確かさ、かなりレベルが高い。客席50人足らずの劇場で観れる芝居ではない。さすがサニーサイド。
しかしこの味わい、吹き替え版の映画を観ているような感じが。台詞回し仕草、そういったものが何かお手本をなぞっているような感じも。設定はアメリカで、マクマーフィー、ラチェッドと言った役名。これを設定を日本にして、佐藤、田中、で演じたら、この味わい、このストーリーは伝わっただろうか? きっと翻訳劇の難しさはそこにあるのだろうと思う。

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歌舞伎「八月納涼大歌舞伎 第二部」
8月某日 歌舞伎「八月納涼大歌舞伎 第二部」歌舞伎座
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「ゆうれい貸屋(ゆうれいかしや)」
*長屋住まいの腕のいい桶職人は、働きもせず呑んで寝ての暮らしぶり。女房の内職で何とか食べてはいるが、その女房も疲れ果てて里へ帰ってしまう。
そこへ生前は芸者だったという幽霊が現れる。男が喧嘩の仲裁をしているのを見かけ、その男っぷりに惚れてやって来たという。そして幽霊は押しかけ女房として家に住み着くのっであった。
ただ暮らしには金がいるというので、幽霊の発案で、成仏できずにいる幽霊を集めて、他人に恨みを持つ人間に幽霊を貸し出す「幽霊貸し屋」を始めるのだった。
商売は繁盛するが、成仏できない幽霊達と接するうちに男は今までの自堕落な暮らしを顧みるようになっていった。
山本周五郎原作で、48年ぶりの上演。

しっかり者で嫉妬深い元は芸者の幽霊、中村福助しか考えられないであろうはまり役。自堕落な男の役は板東三津五郎より中村勘三郎の方がはまったよう気がするが、三津五郎のこざっぱりとした感じもまた良しか。
長屋の人情喜劇だが、幽霊の人材派遣という発案が突飛で面白い。何故こんな軽妙で面白い作品が48年も封印されてきたが不思議だ。新作を良しとしない風習でもあったのだろうか?
後半、男が過去を顧みる場面でもう少しタメがあったほうがいい感じがした。上演を重ねてマイナーチェンジされていけば、もっと響く作品になるような気がする。

「新版 舌切雀(したきりすずめ)」
*童話の舌切雀をファンタジックでコミカルな歌舞伎に仕立てた作品。渡辺えりこの歌舞伎演出3年ぶり第二弾。

前回の渡辺えりこ演出の「今昔桃太郎」は、個人的に今まで見た歌舞伎で一番つまらない作品だった。ので、またやるの~、また童話~、と思っていたのだが、前作と同じマネはしないだろう、とも思って観劇。
前作の、“演出しきれていなくて役者が思い思いにやるしかなくなったバラバラ感”はさすがに今回は見受けられず、役者の弾け方、衣装、美術の仕上がりも含め、きちんとした世界観が作られていた。
ただ童話の中に隠された怖さや教訓めいた部分を明確にしようとして、くどくなった感じが。歌舞伎の持つ味わいの“言い過ぎない”という部分が殺されてしまっていたような。そのあたりの塩梅は、昨年の納涼歌舞伎で上演された、わかぎゑふが同じく童謡をアレンジした「たのきゅう」の方が数段面白かった。
次回やるなら新作じゃなく、お馴染み、といわれるような作品で演出に徹してくれたらな~、と思ったりした。

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映画「天然コケッコー」
8月某日 映画「天然コケッコー」新宿武蔵野館
■公式HP


*過疎化の村の学校は小学校と中学校が一緒になっても7人という、家族のような学校だった。そこに東京から転校してきた中学二年生の男子。同じ中二の女子は初めての同級生。初めは馴染めずにいた男子も田舎の暮らしに馴染み初める。
田舎の人間のふれあいと、少女の成長と初恋を静かに描いた、くらもちふさこの漫画を原作とした作品。

今や売れっ子となった山下敦弘監督作品。鑑賞中、映画が終わって外の新宿の街に出たくないな~、とふと思ってしまった。このまま高校生編も続けて撮って5時間の大作になろうが、まったく問題ない心地よさだった。是非続編の高校生編も撮って頂きたい。

あらすじやら出演者やら監督やら、ほとんど知らずに勘をたよりに作品を選ぶので、意外なキャストに驚いたりする。大内まりの出演にはびっくり。前作の「青い魚」が好きだったので10年ぶりの役者復帰は嬉しい。
小劇場俳優の黒田大輔、小劇場出で監督であり脚本家としても注目の末廣哲万が、めちゃめちゃいい味を出している。こういう俳優と佐藤浩市が一緒に違和感なくフレームに収まってる心地よさもこの作品の魅力だろう。
主演の夏帆、役のイメージとも風景とのマッチングもベストなのだが、ちょっと上手すぎの感じが。テレビドラマ「ケータイ刑事」の頃のたどたどしさが残っていたら、と思ってしまった。

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歌舞伎「八月納涼大歌舞伎 第一部」
8月某日 歌舞伎「八月納涼大歌舞伎 第一部」歌舞伎座
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「磯異人館(いそいじんかん)」
*慶応年間の薩摩藩、英国の異人館でガラス作りに励む精之介と、異人館の警護をする弟の周三郎。兄はヨーロッパにガラス職人として留学するという夢がかない、渡欧前に万博出品の作品作りに精を出していたが、血気盛んな弟は藩の道楽侍といざこざを起こし脱藩者として追われる事になる。
そして兄も英国の大使に想い合う琉球王国の姫との仲を裂かれ、失意の仲で留学を断念すると言い出す。
夢と愛情と身分の狭間で揺れる男と、それを慕う悲運の姫、そして兄弟と姫を見守りながら助けようと奔走する盟友・才助との友情を描く、昭和43年に一般公募で当選した新作戯曲、20年ぶり2度目の上演。

中村勘三郎が20年前に演じ、出世作と呼び声高い作品だそうで、それを息子・勘太郎が20年ぶりに再演という注目の芝居。実に熱い芝居。西洋建築の異人館のセットがあるだけで、歌舞伎云々の型を意識させない状況もあり、めいいぱいのびやかに動き回る勘太郎。似せてるのではなく父・勘三郎に似てきた。親子二代で出世作と言っても過言ではなかろう。
そしてこの芝居で、勘太郎を食う勢いなのが市川猿弥。猿之助一門から納涼歌舞伎初参加。初の人気公演に若干控え目になってしまってる感はあるが、バイブレーやーとして相当いい味わい。この舞台、その味わい無しでは成り立たなかったろう。これから常連となって、コクーンや中村座でも観てみたい。

「越前一乗谷(えちぜんいちじょうがたに)」
*越前の朝倉義景は部下の裏切りにより織田信長に攻め入られ、妻と息子を敵陣に奪われながら壮絶な最期を迎える。そして妻は側女として囚われながらも、義景の最期の言葉「必ず生きよ」の言葉に自ら命を絶つことも出来ず、出家の道を選ぶのであった。
水上勉作による舞踊劇、34年ぶり2度目の上演。

歌舞伎座では初上演となるのだが、コンテンポラリーダンスの公演のようなシンプルなセットと、通常の歌舞伎ではあまり使わないタイプの照明の当て方。しかし伴奏は義太夫だけで、踊りも殺陣も歌舞伎そのもの。悲しく哀れな物語を、言葉以上の音と光の演出でもり立てた。

残された妻の死ぬも地獄生きるも地獄という絶望を「必ず生きよ」という言葉一つで作り上げた脚本の凄さ。その言葉の業の深さに感服する。
今までの舞踊劇とはちょっと次元が違うところにあるような舞台だった。34年間の封印が解かれたのだから、板東玉三郎と市川右近の組み合わせなどでも観てみたい。

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落語会「晴れて二ツ目全員祭」
8月某日 落語会「晴れて二ツ目全員祭」日暮里サニーホール
立川平林 立川志らべ 立川らく次 立川談大 立川談奈 立川キウイ 立川らく里 泉水亭錦魚 立川吉幸 
■各プロフィールはこちら


昇進直後の二ツ目が9人出る落語だけの会。ちょっとキツイか~、と思っていたが(苦笑)、さすがは立川流、二ツ目といえどもレベル高し。十二分に楽しめた会だった。

私のこの日の一番のネタは、キャリア官僚のような固い面持ちの立川らく次が、長屋の粗忽者達の愛嬌に満ちた右往左往を語った「黄金の大黒」。次いで立川談大「不動防」、そしてトリを勤めた立川吉幸「子別れ」。

紆余曲折、内定、内定取り消し、再試験、と修羅場をくぐった9人である。満員御礼で良かった良かった。冷房効き過ぎて寒かったけど(苦笑)

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テーマ:落語 - ジャンル:お笑い

落語会「談四楼独演会」
8月某日 落語会「談四楼独演会」北沢八幡神社参集殿
立川らく兵 立川らく太 立川三四楼 立川キウイ 立川談四楼 大至

遅刻して前座さんとキウイさんの噺に間に合わず。
談四楼師匠の一席目はゲストが元力士ということで、相撲ネタの「阿武松(おうのまつ)」。純朴な若手力士と気っぷのいい親方、人情に厚い宿屋の旦那の気持ちのいい人情話。ゲストもさることながら、朝青龍問題の昨今にひじょうにタイムリーなネタ。こういう噺のような気持ちのいい関係で師弟関係が築けたら、トンビもタカを育てられたのにな~。

ゲストの大至さん。元力士で現在歌手活動をされてる方だそうだ。
まずは相撲甚句を一声。甚句とは民謡の一種らしく、力士が本場所以外で開催される相撲の土俵上で唄うのが相撲甚句。最近民謡やら小唄やらが妙に心地よく感じる。この甚句も心地よい。
いい声というより気持ちのいい声。す~っと気持ちを静めて、声が沁み入ってくる。
約1時間の歌とトーク。相撲界の裏話や現役時代の話など、興味深く聞く。力士というのは700人もいるそうだ。そんなにいたのかと驚いたが、相撲人気の頃は1000人近く居たそうだ。へ~。でも十両以上の入幕を果たすのは40数人。他のプロスポーツからみても相当狭き門。へ~~。で、現役の期間もそんなに長くないし、かなり厳しい世界なのね。すると尚更今回のゴタゴタは関係者を悩ませることになったろう。仮病で仕事休んで実家に帰って遊ぶって、どんだけ子供の発想だよ(笑)。
そして歌の方では、最近100万枚と突破した「千の風になって」を唄われたのだが、この歌、流行る前から知っていたのだがどうもあのテノールの声に馴染めなくて、まったく気持ちに入ってこない曲だった。大至さんの声で初めてちゃんと聴けた感じがした。 いい曲じゃん(苦笑)
そしてこの日は終戦記念日。「終戦(新生日本)」という甚句も歌われた。敗戦から立ち直り、与えられた自由主義を胸に、老いも若きも手を取って明るい未来を目指そうという唄。目指した未来、60年経ち未だ世界から戦火は消えない。

談四楼師匠最後の一席は「ぼんぼん唄」。待ってましたの一席。今回は録音もされてるそうでCD化の予定もあるのか!? この名作は世に出さねばいけません。
序盤の迷子と出会うシーン辺りですでに涙腺決壊。私の中ではこの迷子との遭遇シーンは、迷子で死にかけていたウチの子猫を拾ったときと被るので、ある種リアルに感じてしまうのだ。う~ん泣ける。最後まで泣かせて終わってくれたらもっといい噺なのに、なんで最後はああなるかな~(苦笑)。


8月某日 CD「談四楼の人情ばなし2」
■商品公式HP

談四楼師匠のCD第二弾。
笑える人情噺「井戸の茶碗」と、漢(おとこ)同士の凛とした人情噺「柳田格之進」。二席のベストカップリング。
「柳田格之進」の一人の男として、侍として、父としての葛藤が見事。サゲの一言で武者震う。名盤間違いなし。聞くべし!




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ダンス「8月/中興行」新宿ニューアート
8月某日 ストリップ「8月/中興行」新宿ニューアート

1年ちょっとぶりのストリップ。ちゃんと舞台を作れる踊り子が二人は揃わないと観に行く価値がないのだが、今回はTAKAKOと仙葉由季というベテラン(苦笑)が揃っていたので劇場へ。
会場が新宿ニューアートというのがちょっとな~。アジア圏の観光客のツアーに組み込まれているらしく、時々大人数で入ってきてはマナーもへったくれもない状況で騒いで舞台を台無しにすることが多い。川崎や横浜の劇場の方が落ち着いて観れたりするのだ。だが今回は団体客はいなかった。数名で連れだった中国とおぼしき観光客のマナーの悪さはやはり目についたが。

で、舞台である。照明機材が良くなったのか、オペレーターが巧いのか、まあ両方だろうがひじょうにいい照明だった。わきまえた常連客のタンバリンとリボンも冴えていたし、ゆっくりと楽しく鑑賞。
踊り子さんは、新人さんから中堅、そしてベテランとバランス良く。そりゃ踊りじゃなくてヤル気のない準備体操だろ、と突っ込みたくなるレベルもあり(笑)。
某活弁士のブログによると、彼はそういう踊り子が一人は入っていて欲しいそうだが、私は巧い人ばっかりの舞台が観たい(笑)。

お目当ての二人はやはり流石である。酸いも甘いも噛み分けたようなTKAKOの舞台は、動から静へ、陽から陰への流れ方が見事。王道の運び方だが、静と陰の懐の深さからは酸いも甘いもがにじみ出る。見せる部分以上に見える部分があるのが、舞台の上の演者に対する優劣の基準だったりする。
仙葉由季は衰えを知らぬ巧さ。やっぱりいい舞台はどんな分野にかかわらず、観ると背筋が延びますな。
彼女も十年以上観てますが、観る度に巧いと思わせるのは空気のつかみ方。むろん踊りの技術も最たる物ながら、会場の空気を手の中にすっとたぐり寄せて惹き付ける様は昔から素晴らしく巧かった。この独特の呼吸のようなものは、歌舞伎役者の市川猿之助が舞台で見得を切った時に観客が舞台に吸い寄せられる感じと似ている。中村勘三郎や坂東玉三郎とも違う独特のものだ。むろん踊り子の中でも無二無双の技である。
末永く、というのは逆に失礼かも知れないが、踊り続けて欲しいものだ。
 

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パフォーマンス「BABY-Q禁断セッション Vol.2」
8月某日 パフォーマンス「BABY-Q禁断セッション Vol.2」アップリンクファクトリー
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中村としまる(音楽)+東野祥子(ダンス)+ロカペニス(映像)によるセッション。
出来上がった音と映像に乗ってダンスをするのではなく、音も映像もダンスも互いの呼吸を読みあってのライブセッション。一対一のセッションだと、ぶつかり合って高みを目指す、となるが、三者によるセッションになると世界を作り上げる図式になる。だが誰かの色が突出してしまうこともある。
今回は三人のバランスが良く、混沌と入り交じって世界を作り上げていた。ので、映像がどう、音がどう、ダンスがどう、という印象がまったく残らなかった。暗い闇に白い雲が形を変えながら漂っているような、そんな印象だけが残った。面白かった~。
ただ後半、昔の映画のシーンを断片的に映像の中に組み込んでいたところが、抽象の中に具象が入ることで、せっかくの世界が壊されたような感じがした。

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演劇「ミートボール/アーノルド」
8月某日 演劇「ミートボール/アーノルド」シアタートップス
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*ある高校の噂好きの小姑のような女教師、試合を戦と呼ぶソフトボール部顧問の暴力女教師、盗撮マニアの男性教師。その盗撮マニアの仲間であるコンビニ店員はバイトの女子大生に夢中。その女子大生は寝たきりの弟のためにバイトと援交に勤しみ、その女子大生に恋するバカなヤンキーは、先輩のバカなヤンキーに詐欺まがいの権利ビジネスの片棒を担がされていた。そのバカな先輩ヤンキーは恋人のバカなギャルの妊娠と、詐欺ビジネスの行き詰まりに困っていた。そんな時そのヤンキーの元にある男を脅しゆする術の書かれたCD-ROMが届いた。ヤンキーは疑心暗鬼のまま見ず知らずのその男をゆすりはじめた。ゆすられた男は盗撮マニアの男性教師だった。そして男性教師が援交してその模様を納めたビデオに映っていたのはコンビニのバイトの女子大生。そしてその脅しのCD-ROMを作ったのは女子大生に恋するコンビニ店員だった。そして脅しはエスカレートし……。という入り乱れたメビウスの輪のような相関図の作品。

イヤな人間とバカな人間しか出てこない作品。明日図鑑の「岸辺の亀とクラゲ」ポツドールの「激情」もそんなニュアンスの作品だったが、この作品はもう少しキャラを分かりやすくデフォルメし、キャラのぶつかり合いのように見せておいてその下で緻密な相関図の線引きが成されていた。キャラと関係性、どちらが強すぎても弱すぎても物語にはならないだろう。バランスが絶妙。
役者もキャラに依存しすぎると素人芝居になりがちだが、ちゃんと人間になっていた。唯一人間的な振り幅のあるキャラ設定の女子大生役の寺西麻利子の、振り幅のチラ見せ具合が秀逸。
「うわ~イヤな芝居だ~」と思って見始めたが、どこに着地するのかその展開に引き込まれた。作家の思うつぼか(笑)

衛星放送のシアタービジョンのテレビ収録が入っていた。劇中、小姑のような女性教師が男性教師に「今度集会に来ません? 久本雅美さんの話が聞けるんですよ、長井秀和さんも来ますよ」という台詞があったんだが、テレビ的にこの台詞は大丈夫なんだろうか……(苦笑)


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映画「セキ☆ララ」
8月某日 映画「セキ☆ララ」アップリンクファクトリー
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昨年見逃していたので鑑賞。DVDにもなっていたが映画は映画館で観なければいかんのだ。

*在日3世のAV嬢が生まれた町と育った町を尋ね、そこで初めてのAV撮影をするというドキュメンタリーと、留学中の中国人AV譲と、在日2世のAV男優が中華街でデートした後に絡みの撮影をし、男優の家でまたひと絡みするというドキュメンタリーの二本立て作品。監督・松江哲明も日本に帰化した在日3世。

ゆる~いドキュメント。赤裸々に深層心理に迫るという迫力はまったくなし(笑)。そのゆるさ故に深層心理がポロッとこぼれるような、そのゆるいこぼれ方もまた赤裸々なのかもしれない。
在日というテーマを扱うことで、「パッチギ!」のように眉間にしわを寄せて、隠された真実を描き出す、というふうにならなければ嘘、ということではあるまい。
今も在日の各家庭に残る風習を監督と女優が何気なく話すゆるいシーンなどに、21世紀今現在の在日のリアリティの、ある側面は正確に映し出されているような気がする。「在日」って何だ! じゃなく、「在日」ですけど何か? という具合だろうか。
在日?日本人? どうでもいいじゃんそんな事、と思ってしまうのは不謹慎なのか?

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セキ☆ララ


DVD

¥ 3,591(税込)
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映画「パッチギ! LOVE & PEACE」
8月某日 映画「パッチギ! LOVE & PEACE」シネカノン
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*1974年、東京枝川の朝鮮人の町に住む一家。サンダル工場を営みながら細々と暮らしていたが、孫は難病に冒され治療には大金がかかることになり、若い父親は金塊の裏取引に手を染め、若い叔母は芸能界で活躍し始める。朝鮮人学校と日本人学生の喧嘩に巻き込まれ、ひょんなことで朝鮮人に荷担して、この一家と仲良くなった田舎者の男は、若い叔母に想いを寄せながら、若い父と友情を深めていく。
戦争に巻き込まれた一家の過去と、社会の中での差別や偏見を織り交ぜながら、家族・人間の絆を描いた作品。

井筒作品では「のど自慢」が好きだったが、続編の「のど自慢2 ビッグ・ショー!~ハワイに唄えば~」は期待はずれだった。「パッチギ!」は詰め込み過ぎで消化不良の感じと、キャスティングがどうにも……だった。ので、続編となる今作、まったく期待していなかった。が、その期待を大きく裏切る大秀作。
前作で一番不満だったのが、朝鮮から渡ってきた先代の苦悩や、大阪で暮らしていた時分の困難が言葉で語られるだけで、説得力に欠けて見えた部分だった。今作では1944年の戦下のあまり語られることの無かった植民地での事実や、劇中で撮られた特攻隊の映画での命の扱われ方など、しっかり映像で見せて説得力のある構成となった。
前作のキャストが、ほとんど続編に出たくない、という意志を示したがための今回のストーリーとキャストとなったそうだ。よくぞ出たくないと言ってくれた、と思うほど、ワンシーンのカメオ出演者に至まで今作のキャスティングは良かった。何より藤井隆が秀逸。「カーテンコール」観れば良かった……。

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のど自慢
井筒和幸

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映画「図鑑に載ってない虫」
7月某日 映画「図鑑に載ってない虫」テアトル新宿
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*アングラ誌の編集長から、「死にモドキ」という物を使って臨死体験をしろという命令が下り、フリーライターの若い男は謎のアル中男を引き連れ「死にモドキ」を探しに出かける。途中、ヤクザと失職中のSM嬢とも道連れになり、奇想天外な事件に巻き込まれながら、「死にモドキ」という虫を捕まえることが出来た。そして臨死体験の実験は始まったが……。

「時効警察」で名を知らしめた三木聡の最新作。「亀は意外と速く泳ぐ」がかなり好きだったのだが、「時効警察」はちょっとイマイチだった。で、今作はキャラ設定がどうにも暑苦しく、湿度の高さが脱力感を邪魔しているような。三木作品のトーンと合わない役者も多いような感じが。松尾スズキ・岩松了・ふせえり・松重豊は良かった。となると舞台出の役者は三木作品には合うと言うことか。

問題は次回作「転々」を観るかどうかだ。テレビでも映画でも三浦友和出演作に外れ無しという個人的嗜好があるのだが、予告編を見る限りどうも湿度が今作と似ているような……どうしよう。

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時効警察 DVD-BOX
三木聡

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¥ 15,138(税込)
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演劇「砂利/劇団ダンダンブエノ」
7月某日 演劇「砂利/劇団ダンダンブエノ」青山スパイラルホール
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*感情のない中年男は、幼い頃いじめていた同級生が復習にやってくるという妄想に苛まれ、過食嘔吐になっていた。同居するしっかり者の弟と、妊娠中の内縁の妻、退屈をもてあましている病気療養中の下宿人、そして入り浸る近所の変わり者。それぞれが感情のバランスを取るために、妄想やら事件やらを引き起こす。

ダンダンブエノは2,3,4回の公演を観ている。前回どうしても観に行くことが出来ず今回は楽しみにしていた。が、作・本谷有希子、演出・倉持裕という、とっても苦手な布陣(苦笑)。だが、板東三津五郎が初小劇場登場。それが観たくて劇場へ。

開演3分で、本谷有希子独特のネチネチ感に苛まれ芝居の内容を追いかけるのを断念。この舞台は役者を観て楽しむことに切り替える(苦笑)
エチュードをやって、それを観てから書かれたという脚本は、役者に良くも悪くも意地悪い宛書き。意地の悪さを楽しむという、本谷・倉持共に持ち味とする手法が遺憾なく発揮されていた。

あまり観られない洋服姿で舞台に立つ三津五郎。それもタルタルのジャージである。「大和屋」の威厳もオーラもなく、情けない男としてそこにいるという凄さ。
正直テレビでは苦手だった田中美里も“お芝居”感がなくいい。
で、片桐はいり、いいな~、役に踊らされていない感じがした。何となくではあるが、演出の手の届かない域で存在している感じが良かったのだ。

楽日のカーテンコールで感涙に噎ぶ三津五郎。よっぽど楽しかったらしい。公演ブログでもこの公演の楽しさなどを書かれていた。
これに味をしめてまだ小劇場に出演願いたいものである。

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テーマ:観劇 - ジャンル:学問・文化・芸術

無声映画「世界の心」
7月某日 無声映画「世界の心」門天ホール
■無声映画マツダ映画社
弁士・澤登 翠斎藤裕子桜井麻美片岡一郎


弁士・澤登翠の年に一度の一門会。
弁士4人によるリレー活弁でリリアン・ギッシュ主演の「世界の心」を。

*詩人と隣に住む娘は結婚の約束を交わし、式を楽しみに待ちわびていた。そんな最中に戦争が勃発。詩人は出兵し、娘の住む村は敵に攻め入られ捕虜となる。そんな村を奪回すべく詩人は敵兵に化け、ひとり村に偵察に入るのだが……。

1918年作の、本物の戦争シーンを織り交ぜての戦争映画。大砲や毒ガスなど、リアルな戦場の映像が入る、ドキュメンタリーとしてでも今では考えられない作り方。
原爆投下をした兵士が未だ英雄とされるアメリカらしいと言えばそれまでだが、リアルな人の殺し合いの映像だからな~。無慈悲な作品だ。

リレー活弁で最後を締めた師匠・澤登翠の、いかなる場合においても戦争で苦しめられるのは、弱い一般人である。どんなことがあっても戦争を賛美してはいけない、という弁で締められた。それが日本の文化として生まれた活弁が、このような無慈悲な作られ方をした作品を語る上で出来る、最大あり最低限の役目であり特権であろう。

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狂言「萬狂言 夏公演」
7月某日 狂言「萬狂言 夏公演」国立能楽堂
■公式HP

「蚊相撲」
蚊の精と大名が相撲をとり、なかなか大名が勝てずに家来に当たり散らす、という話。夏の狂言の代表作だそうだ。

「船ふな」
主人と家来が「船」を“ふね”と呼ぶか、“ふな”と呼ぶかで言い争う。主人を
人間国宝の野村萬が、家来を孫で10歳の野村虎之介が演じる。

「鳴大家守」
一般公募による新作! 落語にも一般公募の新作コンテストがあるが、狂言にもあったとは。話の組み立て方はしっかりとした狂言で、話のラストは落語的な落とし方。外人客が多かったが、客席は笑いに包まれた。

「金津地蔵」
詐欺師に騙され人間の子を地蔵として買った田舎者。さっそく拝めるが、まんじゅうや酒を欲しがる。その背後には先の詐欺師が……。

亡くなった野村万之丞さんの舞台を観て以来だから、4年ぶりとなる狂言鑑賞。
狂言を観るというと肩肘張りそうだが、分かりやすい演目が並んだこともあり、ケラケラ笑いながらのお気楽な鑑賞。
狂言は短編のコメディー映画を観るのと同じ感覚でイイと思うのだが、観たこと亡い人間は難しそうと思うらしい。私も思ってましたが(苦笑)
そんな方々は10月の「現代狂言」に是非足を運んで頂きたい。野村万蔵、南原清隆、渡辺正行、島崎俊郎が出演。まさかアダモちゃんは出まいが(笑)

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テーマ:演劇 - ジャンル:学問・文化・芸術