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~ 観劇、鑑賞の記録。リンク集そしてデータベース ~
落語会「橘蓮二写真集「高座」出版記念の会」
6月某日 落語会「橘蓮二写真集「高座」出版記念の会」国立劇場小ホール

高座?橘蓮二写真集
橘 蓮二
河出書房新社

大型本

¥ 5,670(税込)
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写真集発売に合わせての落語会という前代未聞の会。それも昼12時開演。チケット買ってから気づいて、慌ててこの日に向けて朝方の生活に戻した(笑)。

まずは昨年真打ちに昇進し、映画「しゃべれども、しべれども」で国分太一を指導したとして最近マスコミ露出が高い柳家三三。ちょうど昇進直前に何度か観たが、この一年で数段上手くなっている。固い落語をやるタイプと思っていたが、リズムが豊かになっていた。一皮剥けるというのはこういうことか~、と納得の高座。

続いて林家彦いちがいつものようにがつっと力業の新作を。熱血漢の顧問が怪談サークルをビシビシ指導、という訳のわからなさ。なのに旨いと唸ってしまった(笑)。このネタは学校寄席でやったら鉄板ネタだろうな~。
かくいう彦いちさんも写真集を出している。橘蓮二にだって撮れない身内だからこその自然で伸びやかな芸人さん達の写真集である。嫉妬心メラメラ(笑)

楽写
林家 彦いち
小学館

単行本

¥ 1,400(税込)
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紅一点の太神楽の柳貴家小雪。神楽をピンで高座でやられている芸人さんを初めて見た。何となく神楽はチームでやるものだと思ってた。勉強足らんな~。
神楽を見ていつも思うのがプロレスの技だ。お客が痛そう、と思う技ほど痛くなくて、効いてそうにもない技が実は痛い、とい話をレスラーのインタビューで読んだことがある。神楽もきっとそういう部分ってあるんだろうな~。簡単そうに見せたら芸として成り立たないし、難しそうにやったら修業が足らん、と思われるだろうし、その見せ方の塩梅がホントの部分の芸かも。

中〆は立川談春。「文違い」をどっしりと。騙し騙されの噺だが、芳次郎の肝の据わった騙しっぷりが秀逸。自が出てる感じが……(苦笑)

中入り後は林家二楽。いつもの紙切りに、プロジェクターを使って影絵的にストーリー立てて見せるパターンも披露。BGMは陽水の「少年時代」。すんばらしいマッチング! 涙腺が小さく決壊(笑)

トリは立川志の輔。初観劇。以前から個人的に「抜け雀」の謎であった“かごかき”の説明の下り、マクラで説明を入れるのでなく、ちゃんとネタに仕込むやり方であった。初めて聞く人にはちょっと唐突すぎる感が。しかし、昼の12自開演で即日完売の落語会に来るコアなお客には無用の心配であろう(笑)
パルコ落語をWOWOWで録画してあったのだが、これでやっと見れる。個人的掟として、まずは生で高座を観てから映像で観る、というのがあり、昨年と今年の分、2年分が未見でHDに残されているのだ。さあ観よ~!

写真集は同業者なのでコメントは控えます(笑)。ちなみに橘蓮二写真集「笑現の自由」にあるダンディ坂野の舞台上の写真を見て泣けてしょうがなかったです。



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テーマ:落語 - ジャンル:お笑い

演劇「冬の入り口(弘前劇場)」
6月某日 演劇「冬の入り口(弘前劇場)」 シアターグリーン
■公式HP

火葬場の控え室、お坊さんの到着を待つ遺族と参列者。お坊さんが来る途中で事故に遭って遅れる知らせが入り、時間を持て余す一同。普段滅多に来ることのない火葬場の周りの池を散策する人、先に一杯やり始める人、そこに東京からひと組の若い夫婦がやってくる。仏さんが外に作った子だった。初めて逢う正妻と妾の子。問わず語りの静かな葛藤がそこにはあった。

いや~ぐっと来た。しばらく椅子にすわったまま誰もいなくなった舞台を観ていたかった。何が、どこが、ぐっと来たかと問われるととても答えづらいのだが、とにかくぐっと来たのだ。

葬儀という場面での悲しみや辛さと同時に、進めなければならない事務的な作業や段取り、この相反する空気は身内の葬儀を体験した者にしかわからない微妙な空気だし、死者の生前の姿を改めて知る、ということも葬儀という区切りから生まれる体験だったりする。16年前の祖父の葬儀のことを思い出したりしながら、16年後の今の自分が改めてその当時感じ得なかった思いを感じたりもした。

この劇団でしか見れない光景というか芝居というか、それは、お茶を飲む、タバコを吸う、物を食べる、という日常のあたりまえの仕草が、めちゃめちゃ当たり前に舞台上で行われているということ。食べてます、飲んでます、吸ってます、というのが表現になってしまうと、一瞬にして物語を見ているのではなく、芝居を押しつけられてる感じになる時がある。それがこの劇団では一切ない。
今回開演10分ほど初日の気負いからか、妙にテンションが高い感じがした。それがいつもの描写に近い芝居に落ち着いていったのも、タバコを吸い、お茶を飲むシーン以降だった。

今回の公演は葬儀を舞台とした芝居だった。奇しくも会場となったシアターグリーンの隣はお寺であり、先日ガス爆発した施設で亡くなった方の葬儀が行われていた。外にはテレビカメラがひしめき、遺族のインタビューが取れるのか取れないのかなどを大声で携帯で話す声も響いていた。ざわめくノンフィクションと静かなフィクションが交錯する、不思議な夜だった。

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テーマ:観劇 - ジャンル:学問・文化・芸術

映画「歌謡曲だよ、人生は」
6月某日 映画「歌謡曲だよ、人生は」シネスイッチ銀座
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基本的に短編オムニバス、というくくりの作品は好きではない。が、歌謡曲好きとしては観に行かねばならない作品。
昭和30~40年代の歌謡曲をモチーフに12の作品が撮られた。曲のラインナップを見るとそそられる曲が。
正直どうでもイイ作品が多かったが(苦笑)、気になった作品のみ紹介。

「ざんげの値打ちもない」
寂れた田舎町、影を携える不動産屋の女はやんちゃな青年にアパートを紹介する。その青年の傍らには少女が。数ヶ月が過ぎ、青年のアパートにはあの時の少女とは違う少女が出入りしていた。その二人を影から見つめるあの時の少女、その様子を偶然見つけた不動産屋の女。少女の眼差しに女が感じたものは……。

事前に期待値が高かった。曲の好きさ加減もかなりなものだったが、余貴美子と、昨年「紀子の部屋」でとんでもない女優が出てきたと思った吉高由里子が主演である。期待せずにはいられないし、期待以上の仕上がり。二人の女優の佇まいが画面に焼き付いただけで世界は決まってしまっている。短編でなくちゃんと2時間に仕上げて欲しかった!!

「乙女のワルツ」
ちょっと古ぼけた喫茶店。マスターに彼女を紹介する青年。マスターはその昔グループサウンズ全盛期に人気を博したアイドルだった。紹介された彼女は、その昔悲しい別離をした少女に瓜二つだった。
消したはずの思い出がマスターの脳裏に蘇る。

実際グループサウンズ全盛期のアイドルだった、元ゴールデンカップスのドラマーであるマモルマヌーがマスターを演じる。ほとんど全編台詞が極端に少ない演出で、ストーリー仕立てのグループサウンズのプロモーションビデオ的な要素もある。でも曲はグループサウンズとは関係ない「乙女のワルツ」(笑)
マモルマヌーがふと遠くを見つめる目、味わいと言うには深すぎる眼差しであった。

「逢いたくて逢いたくて」
新しい部屋に引っ越してきた若夫婦、前の住人が残していった宛先不明で戻ってきた大量のラブレターを発見する。そこにひょんなことから前の住人が尋ねてきた。慌ててラブレターを隠す二人。そして前の住人が帰ったとき、その人あての手紙が届いた。

矢口史靖監督作品の真骨頂とも言える爽快感と切なさが見事に同居した作品。伊藤歩がいい! サントリーや公団のCMもいいし。
あんまり量産型の監督ではないだろうが、テレ朝の金曜23時のドラマ枠、ワンクール何か矢口史靖監督で……何て思うのだが。「時効警察」で園子温監督を起用する枠なんだし。

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テーマ:日本映画 - ジャンル:映画

演劇「別役実の二人芝居二本立て公演」
5月某日 演劇「別役実の二人芝居二本立て公演」新宿サニーサイドシアター
■公式HP

コンタキンテの一番弟子(?)北村幸生の舞台を観にサニーサイドシアターへ。
別役実作品を、二人舞台で2本上演。

「受付」北村幸生+向迫彩子
精神科にやって来た男。受付で男をぞんざいに扱う受付嬢。女は会話の言葉尻を掴んで強引に寄付やドナー登録、死体の寄付まで男に約束させる。

気弱な男を北村幸生が演じた。かなり一方的に受付嬢に丸め込まれ、男の切り返しがない物語。受けて受けてかわせずに受けまくる男。こりゃ大変な作品に挑んだもんだ。
女の方がもう少し男の感情を引きつける間にリズムを持たせても良かった気がする。でもその一方的かつ淡々さが狙いなのか? そもそもこの戯曲には男のアイデンティティーは描かれていないのか?
観劇後に残るモヤモヤは役者のせいか、それとも戯曲の狙い通りなのか……。しかし言葉がスルーすることなく全部気持ちに引っかかったのは、技量を超えた何かを役者が発していたからだろう。

「トイレはこちら」川口総司+大畑麻衣子
自殺しようとする女と、公園でトイレの場所を聞いてきた人にトイレの場所を教えて100円もらい、それを仕事にしていこうとする男が出会う。
女はそれが仕事にはならないと男に説くが男は聞く耳を持たない。

バランスが良い二人。こちらの戯曲は投げと受けが双方であり、テンポ良く引き込まれていく。ただ、ちょっと言葉が文字のままのような部分も感じられた。

別役作品は同じくサニーサイドシアターで、コンタキンテ主演で観て以来の観劇だが、難しい。難解な言葉を並べるのではなく、イメージを広げすぎるのでもなく、点と点が交わらずに引き合うような、解けない知恵の輪のような戯曲だ。手だれた役者さんがやるときっと嘘臭くなるだろうし、自分なりの解釈を入れる余地すらもないような緻密さのホンでもある。
この難しい戯曲を二人芝居で新人に近い若手に格闘させるという、プロデューサーでもある小屋の姿勢に、芝居に対する情熱やら愛情を感じる。また足を運びたくなる公演と小屋だ。ですので、会場の座布団、もうちょっと厚めにして下さい。おしり痛いです m( _ _ )m

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テーマ:演劇 - ジャンル:学問・文化・芸術

映画「しゃべれども しゃべれども」
4月某日 映画「しゃべれども しゃべれども」某試写室
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一応業界の片隅におるので試写会に招かれ鑑賞。公開前に観たのだが、公開を待って今更書くです。

二つ目の落語家がひょんな事から、話し下手な美女と、学校で浮いた存在になっている小学生、口べたな野球解説者に話し方教室として落語を教えることに。

前評判がすこぶるよく、期待して観た。国分太一の二つ目でくすぶる落語家の鬱々とした感じが秀逸。落語も達者。ジャニーズの中でも一二を争う多忙な中でよくもこれだけ話せるようになるもんだと感服する。
絵もきれいだ。たぶんこれが20年前の作品だとしても何も不思議のない東京の姿があり、そして現代の作品としてもノスタルジーを煽る温故知新的な技法や意図が見えない秀逸さ。とにかく気持ちがいい作品。

が、ラストである、私はこのラストに納得がいかない。きっとジャニーズの力が原作を変えてこの終わり方にしたんだろう、と、若干立腹。が、が、聞くところによると原作通りらしい。ジャニーズさん疑ってすいません m( _ _ )m
知り合いの嫁さんは、原作を読んだとき、ラストに唖然として本を叩き付けたそうだ(笑)




やっぱりラストはこうなるべきよ、と作品に賛同される方もたくさんいらしたのだから、ベストセラーであり、映画化もされたのだろう。実際ラスト以外は気持ちのいい映画なんだよな~。判断はそれぞれあるでしょうが、お薦めです。

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テーマ:しゃべれども しゃべれども - ジャンル:映画

寄席「 我ら高田“笑”学校」
5月某日 寄席「 我ら高田“笑”学校」紀伊国屋サザンシアター

立川流 vs. SWA という試合を組めるのも高田“笑”学校だからであろう。が、実際は談春 vs. 志らく+彦いち+白鳥、と言った方が正解か(笑)

まず前説王・立川志ららの見事な前説。志らく、高田校長という二人の師匠の会ということもあり、やや固め(笑)

先鋒は三遊亭白鳥。古典の「双蝶々」をしっかりと……やるわけもなく、メルヘン解釈の白鳥ワールドに逸れて行き、いつものようにヤリ逃げで終わる。まったく~! おもしれーじゃないか(笑)。誰か私に本来の「双蝶々」を聞かせて下さい。
名作「任侠流山動物園」を収録したCDが出る予定だそうだ。名作と言っても三遊亭白鳥的名作である。この噺を高座で聞いた時、この人は天才かおかしい人かの判断に苦しんだ(笑)

続いて立川志らく。登場時の目つきが怖い。芝居でやくざ役をやられるとかで、稽古最中で役に入り込んでいる感が漂う。噺に入ればいつもの調子で「親子酒」。テンション高く大爆笑。織り込まれたブラックジョークに客席が湧く。こんなごく一部の関係者にしかわからないようなマニアックなネタが受ける会って……お客の濃さがにじみ出て怖い(笑)

中入り後、林家彦いち。昨年末のSWAで披露された「かけ声指南」。タイから来たボクシングのセコンドを目指す男の試練を描いた噺。しかしどーもタイ人なのに、私の頭の中にはダニエルカールが浮かんでしまってしょうがない(笑)。構成が見事な新作落語。
彦いちさんのDVD-BOX買おうかな~。どちらかというと落語はCDの方がいいんだけどな~。

彦いち噺 DVD-BOX
鎌倉泰川

DVD

¥ 5,985(税込)
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トリは立川談春。初談春体験。「鹿政談」を徒然と。笑いではなくしっかりと聞かせる噺。“古典なら談春!”と言われるのがよーく分かった。こりゃ独演会行かねば!

そして大喜利。
日大芸術学部の同級生である志らくさんが白鳥さんの大学時代の秘話を暴露。そーとーレベルの高い秘話。大爆笑だがあまりの内容に若干引く(苦笑)。
やっぱり三遊亭白鳥は天才ではなく、おかしい人だという結論が自分の中でついた。たぶん観客のほとんども同意であろう(笑)

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テーマ:落語 - ジャンル:お笑い