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~ 観劇、鑑賞の記録。リンク集そしてデータベース ~
落語会「立川流上野広小路亭夜席」
4月某日 落語会「立川流上野広小路亭夜席」上野広小路亭
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久しぶりの談笑さん。ネタは「薄型テレビ」。粗忽者の舎弟を従え薄型テレビを買いに秋葉原に向かう、買い物上手な兄貴分の男。ここでお気づきの方もおられるだろうが、買う物と場所は違えど噺の展開は古典の「壷算」。これを現代に置き換え「薄型テレビ」と仕立てた。現代ならではネタのふくらまし方をした展開でウケまくる。これは新作か否か?

次は談四楼師匠。しっとりと人情噺「浜野矩随(はまののりゆき)」。CDにも納められているネタを若干短めに。CDでもウルウル来た噺だが、やっぱり生はいい。こういう事があると、CDで聞けても生で聞けない亡くなった噺家さんのCDはやはり聞かずにおこうと思うのだ。いくら志ん生・文楽は凄いって言われても、生で聞けない無念さを憶えたら、辛いだけのような気がして。

トリは文都師匠。ネタは「壷算」! あえて「壷算」スタンダードバージョンを披露。この展開に客席大拍手。「薄型テレビ」効果もあってこちらもウケまくる。この日のお客さんは得したな~。
「壷算」や「鼠穴」などの商売人が出てくる話は関西弁が合う気がする。文都師匠の軽妙な関西弁は聞いてて威圧感や嫌味なく聞こえるので尚更にしっくり来る。独演会やってくれないかな~。
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テーマ:落語 - ジャンル:お笑い

落語会「 志らくのピン~シネマ落語(シャイニング )立川志らく」
4月某日  落語会「 志らくのピン~シネマ落語(シャイニング )立川志らく」新文芸坐
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まずは先日二つ目昇進が決まったお弟子さんの報告。再試験だそうだ(笑)。恐るべし立川流。

で、「不動坊」。怪談というよりコメディー。これが今回の「シャイニング」にどう絡んで行くネタになるのか考えながら聴く。シネマ落語の楽しみ方である。
「鰍沢(かじかさわ)」。オチがつまらない噺だとあらかじめのお断りが入る。盛り上げて盛り上げて最後に「へ?」ってな終わり方。確かにつまらないオチである(笑)。一応怪談だが、あえて展開のスピード感を大事にした感じが。徹底的に怖く語った怪談調でも聴いてみたい。でもあのオチじゃな~。
「粗忽の使者」。こういう粗忽者のデフォルメの仕方は最高に好きである。いや~笑った笑った。“ブーブー”が耳に残って離れない(笑)
で、「シャイニング」。なんとな~く知ってる映画。ポスターのジャックニコルソンの顔が印象に残っている程度。
「不動坊」と「鰍沢」を取り込み見事な構成。登場人物もかなり多め。舞台も長屋から雪山の山荘まで移動する。構成力がないと収集がつかなくなりそうな噺だが、流石のアレンジ能力で聴かせる笑わせる。「街の灯」や「素晴らしき哉! 人生」の笑えて泣ける感じもいいが、このナンセンスさ加減が何ともたまらない一席だった。

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落語会「第34回 浜町・一琴の会」
4月某日 落語会「第34回 浜町・一琴の会」中洲コミュニティルーム
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久しぶりに一琴さんの高座を聴きに行く。しかしすっかり夜型の生活のため遅刻。開口一番の立川志らべを聞き逃す。二つ目昇進が内定したそうだ。実力から言えば遅いくらいの昇進だ。

一琴さんのネタは『普段の袴』『莨(たばこ)の火』。
『普段の袴』はどこかの寄席で聴いたことある噺だな~、と思っていたのだがサゲが違っていた。勘違いだったかな~??

続いて『莨(たばこ)の火』。元の上方落語を江戸風にアレンジされたものをさらに一琴アレンジで聴かせる。
この噺は絶対下手な人には出来ない噺である。噺が盛り上がりそうで盛り上がらない。落語的には次の展開はこうだろ~、と思うところでそう行ってくれない。このキャラは絶対こういうタイプだと思ってるとそうではない。こういう噺を淡々とやられたら典型的な退屈な噺になりそう。
が、どんどん噺の展開の予想が外れていくと、次はどうなる? と噺に引き込まれていく。噺家の腕である。サゲの余韻の残し方がまた絶妙。
ある種通好みの噺かもしれないが、これは一琴さんの十八番になるのでは。落語好きなら一聴すべき噺だ。

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演劇「現代能楽集 AOI / KOMACHI」
4月某日 演劇「現代能楽集 AOI / KOMACHI」世田谷パブリックシアター
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「AOI」
カリスマと呼ばれる美容師、心を病んだ美しい黒髪の少女と、自分をのし上げてくれたパトロンの女。嘘と真実、現実と幻が交錯し、女の情念に男は惑わされる。

麻美れい、凄い。情念に乱れても絶対的なその女性が持つ美しさや気品を見せつけ続けている。乱れっぱなしになった方がいい芝居もあるだろうが、現代能楽集と題された舞台では形で見せる部分は絶対に必要なのだろう。圧倒的な存在感だった。
相手役となるカリスマ美容師だが、その存在感の前でなすすべなし、という感じに見えてしまった。

「KOMACHI」
映画を8年撮っていない映画監督、うらぶれた映画館に迷い込んだ。そこでは戦中の作品で上映禁止となってしまった映画が上映されていた。
上演後、一人だったハズの客席には着飾った老婆と執事のような老紳士がおり、ここはその老婆のプライベート映画館だと言われ追い出される。
しかし、男が映画監督だと知ったとたん、執事と老婆は男を引き留めた……。

老婆を演ずるのは笠井叡。日本屈指の舞踏家である。息子の笠井瑞丈は何度も観ているが、笠井叡は初観劇。一言も発せず動きだけですべての感情を演ずるのだが、凄い。老婆は老婆、そこには演ずる男性舞踏家の影も、笠井叡の存在すら感じさせず、ひたすら老婆なのだ。今まで公演を観てこなかった事を激しく悔やんだ。
監督役の手塚とおる、膨大な台詞量。映画監督の狂気と裏腹の凡人さが見え隠れする感じなどめちゃくちゃいい。映画では何本も観てきたが、こちらも初観劇。やはり今まで観てこなかったのを激しく悔やんだ。

能の戯曲をベースに現代に生きる作品として蘇らせる、というのが「現代能楽集」の意図するところだそうだ。情念を描く「AOI」、舞の要素を打ち出した「KOMACHI」。解説されると能という下敷きが見えては来るが、その解説なしでも演劇として十二分に楽しめた。しかし、能の舞台が、何本かのオムニバス形式で上演されるからと言って、この2作品までオムニバス形式で上演しなくともいいのに。 バラバラでもっとたっぷり観たかったな~。

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演劇「紅の舞う丘(風琴工房)」
4月某日 演劇「紅の舞う丘(風琴工房)」下北沢スズナリ
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ある化粧品メーカーの企業の経由を下敷きにした物語。
大手化粧品メーカーに勤めていた女性が、安全な化粧品を作りたいという思いで、独立して起業。理想と現実、仕事と女性としての幸せ、その狭間で揺れ動く女性達の姿を中心に追ったストーリー。

やはり女性を描かせると上手い。理性も生理も含めて女性の生き方の問題を、あらゆる面からきっちり描き出していた。
正直、男性の描き方には今まで納得がいかない脚本がかなり多かった。女性を描き出すのに都合のいい描き方が目立ってしまい、ちょっと腹立たしいことも。今回は男性の主眼的な描写がほとんどなく、女性側からの視点に終始したのが軸をぶれさせずに伝わった原因ではなかろうか。

しかしここ1,2年、劇団員と客演の芝居の質の違いがとても目につく。劇団員の芝居が暑苦しく感じてしまう場面が目立った。若手はいつも同じようなキャラの役ばかりだし。劇団の体をなす限り仕方ないのかも知れないが、正直脚本が面白かった分だけ、他の役者で見たい、と思ってしまった。
燐光群江口敦子が秀逸だった。


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映画「棚の隅」
4月某日 映画「棚の隅」下北沢シネマアートン
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子供を引き取り離婚した男は、小さなおもちゃ屋を営みながら再婚して暮らしていた。そこに突然別れた元妻が現れる。彼女も再婚を意識する男がいるのだが、過去に決着がついていなかった。元妻の出現に不安を募らせる男とその妻。
それぞれが新しい道へ一歩踏み出そうとする様を描いた作品

監督の劇場映画デビュー作ということ。横軸にもう一つくらいエピソードが欲しかった気がする。大杉蓮の撮り方がちょっとテレビ的なわかりやすい感じがし、映画初出演となった主演の内田量子はちょっと舞台台詞調で、渡辺真起子は素晴らしく自然。三者の映り方の違いがちょっと気になった。
しかし、それぞれの苦悩の描き出し方のバランスは見事。意外と男と女のどちらかに主眼が寄ってしまいがちだが、きちんとフラットに見せていた。観客の懐に届く作品だと思う。
監督のデビュー作としてではなく、劇場作品を何本か撮ってからもう少し予算のある形で撮られた作品で見たかったな~、というのが正直な感想か。

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落語会「栄助・天どんの会」
4月某日 落語会「栄助・天どんの会」下北沢劇小劇場
春風亭栄助 三遊亭天どん 三遊亭白鳥


若手二つ目落語家二人による新作の会。若手と言っても落語家年齢(笑)。ゲストに真打の三遊亭白鳥を迎えての、私的にツボの布陣。
落語会では普通なのかもしれないが、ネタの題名を言わないので記事が書きづらいんだな~。古典は何かしら調べれば題名くらいは解るのだが、新作となると発表してくれない限りわからないままである。んでもってネタ下ろしともなると内容を書いたらマズイだろうし……。なので、アバウトな表現で逃げるしかないのである。

今回の会は二人会ということもあり、二人が参加している新作の会「せめ達磨」よりもまったり感が強い。それに二人共にマクラのネタが面白すぎて、本編の前にお腹一杯感が(笑)。もうちょっとアッパーな雰囲気があっても良さそう。でもアッパーで肩に力の入りまくったな天どんは見たくないな~(笑)

で、弟弟子の会でネタ下ろしをやってしまった三遊亭白鳥。得意の動物ネタでぐわ~っと惹き付ける。そして惹き付けるだけ惹き付けといて、「この続きは25日の独演会でお話しします」ってオイ!(大笑)
ちなみにその25日は、別の処で同じく栄助・天どんと、柳家喬太郎での会がある。客を奪う気満々かい(笑)

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演劇「猿股のゆくえ(三田村組)」
4月某日 演劇「猿股のゆくえ(三田村組)」新宿サンモールスタジオ
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小さなバイクショップ。末期ガンで余命幾ばくもない母が病院から一時退院してくる日、仲違いしていた長男と次男は久しぶりで顔を合わせ、長女は婚約者を初めて家に連れてきた。
何か一言足りないが故に微妙な距離が空いてしまった家族。それでもどこかで解り合えている。そんな家族と、そこに関わっている婚約者や次女の夫、家政婦そして長年勤めている長女の元彼の従業員達の思い。
人と人の絆をユーモラスに描いた作品。

客演では何度か観ていた三田村周三率いる三田村組、待望の初観劇。昨年の「「ハルちゃん」、先日「悩み多き者よ」を演出した田村孝裕の作演出である。やっと30になったばかりという若き才人。客演出だからかもしれないし、自分の劇団では違うのかもしれないが、きちんと物語を作り上げるタイプで、芝居を見せるタイプではないように思う。奇をてらわず、かといって王道に逃げず、静かな芝居でもない。当たり前のことは当たり前、として余計なデフォルメは一切しない感じだが、機微をすくい上げる術は相当高い。それをやってのける役者の力量あってだが。
演者と演出家のマッチングが最適な芝居だった。すんげぇ面白かった~。

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テーマ:観劇 - ジャンル:学問・文化・芸術

4月某日 映画「松ヶ根乱射事件」
4月某日 映画「松ヶ根乱射事件」テアトル新宿
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バブル崩壊直後の田舎町。家業の牛舎を手伝いながらプラプラしている双子の兄と、警察官で派出所勤務の弟。懸命に家業をさせる母と長女夫婦。よその女の家に入り浸って髪結いの亭主よろしくやっている父。痴呆症の祖父。壊れそうで壊れない家族。
その弟がひき逃げ事故を起こす。事故はたいしたことなく済んだかに思えたが、被害者の女とそのオトコにつきまとわれるハメに。

先日のボツドールの公演にも似た、田舎町で生きる人間達の息が詰まるような生活と、閉塞感に包まれた作品。
「リンダ・リンダ・リンダ」で弾けた、と思った山下作品、またこの“どうしようもない人間達”を映し出した。ただ、今までのあからさまな“どうしようもなさ”ではなく、“したたかさ”的な側面が映し出されていたようだ。
三浦友和演じる父親の姿などは絶品。映画マニアの間で故・相米監督の「台風クラブ」の三浦友和のダメっぷりは絶賛されてきたが、その後のそのダメ男を演じて欲しい、という注文だったそうだ。

そしてその“したたかさ”を体現している女優陣。川越美和烏丸せつ子キムラ緑子安藤玉恵、強者である。一歩引いた感じで映し出されているのがさらにしたたかさぶりを浮き上がらせている。女は強し、さらに女は強し、である。

最後は山下作品独特の、「その先どうなるの!?」という余韻を引きずる終わり方。ただ思うに、その先にはそれまでの繰り返ししかない、という思いを観客の胸にこっそり忍ばせているような感じがする。
次回作は子供が主人公だそうだ。どうしようもなくしたたかな子供ばっかりの映画だったらヤだな~(苦笑)

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映画「女~前田弘二監督特集~ 」
4月某日 映画「女~前田弘二監督特集~ 」テアトル新宿
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数年ぶりに前後左右の席に人が座っている超満員の劇場で映画を観た。面白そうなインディー映画がレイトショーでかかってるから観てみよう、と思って行ったら入場の列が外まで出来ていた。一瞬間違えたかと思った。出演者にしても監督にしてもこれだけの動員を呼ぶような有名どころではない。口コミで広がったのだろうか? 普段絶対こんなインディー映画を観なさそうなタイプの客層。何がこの動員の原因なのか謎のままである。

誰とでも寝る女
暗く冴えない若い会社員。同僚との話の中で、その同僚が理想とする彼女のタイプが“すぐやらせてくれる女”だと聞かされる。そして彼はその同僚に彼女を紹介すると約束するのだが……、という話。

古奈子は男選びが悪い
世話焼きの友達に男を紹介される古奈子。しかしその男達とその友人の関係がいまいち判然としなかったが、半ば強引にその中の一人とデートする事に。
女同士の友情、曖昧で希薄な人間関係をリアルに描写した作品。


マメで神経質な男と、大ざっぱで嫉妬深い女が同居する部屋に、女の友人だと偽って部屋に上がり込んだ見知らぬ女。その女は以前その部屋に男と住んでいたらしく、情緒不安定な面持ちで男の名を呼びながら部屋を徘徊し始める。
男の浮気相手だと思いこみ怒り出す同居の女、錯乱し始める見知らぬ女、なだめる男、混乱の場面は収集が付かなくなっていく……という話。

3本立ての女をテーマにした短編映画集。
人と人との関わり合いのほとんどが、実はこんなにいい加減で希薄で、それでもなお繋がらざるを得ないものなのかもしれない、と考えてしまった。
一度もの凄く俯瞰で観てからまた凄く寄ったような、冷静な視線で描かれた作品。けれど醒めた感じがしない。
コミカルでスケベな話で、笑って観流せる作品のような気がするが、何故か妙な宿題をお土産に持たされたような気分だ。ある種、哲学的な作品かもしれない。

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映画「バブルへGO!!タイムマシンはドラム式」
4月某日 映画「バブルへGO!!タイムマシンはドラム式」
シネマート六本木

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偶然タイムマシーンが開発され、それを使い17年前のバブル崩壊直前の日本にタイムスリップして、バブル崩壊を食い止めるのだ! という話。

景気が上向いているのだな、と感じるのは、十数年前に地上げされそのままになっていた近所の空き地や建物が、去年の夏ぐらいから続々と再開発されていたり、この春の新入社員とおぼしきスーツの若者の顔つきが、いや~~な顔つきになったな~と思えてならない時だ。
なにせ自慢ではないがバブルエイジである。バブル真っ直中に出版社で働いていたのである。しかし何故か当時は年収240万(苦笑)。華やかな六本木やベイエリアの風景はテレビの中の出来事だった。そこを書き出すと長くて辛い文章になるので割愛するが、まぁそんなバブル時代のいや~~な匂いが漂い始めている昨今、この映画の制作意義は!?

ホイチョイプロダクション+フジテレビ、という諸悪の根源のような組み合わせ(笑)で作られたのだが、ハッキリ金がかかってない! バブル当時の風景の再現など、小箱のディスコとヨットでのパーティー風景くらい。規模小さすぎ、地味すぎ、ちゃちい! バブル時代の意味もない無駄さ加減がまったく描かれていない。CGでも何でも使ってもうちょっと派手な絵面は作れたろうに、と思ってしまう。それこそ深夜枠で、春のスペシャルドラマ5日間連夜放送! 的な物ならかなり楽しめたのだが。
ストリーは単純明快で笑って楽しめるのだが、バブルの狂乱を描き切れていないのがかなり残念。もっとバカに作ればいいのに。主題歌も加藤ミリヤじゃないだろ、東京プリンの「バブルアゲイン」だろ~!

にしても景気が上向いていくのは歓迎だが、バブルのバカなはしゃぎっぷりが繰り返されるのだけは勘弁して欲しい。

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